五輪ボランティアは問題山積み? 国際ボランティア学会長が説くあるべき形 | 「結局どうなの? 五輪ボランティア」第4回 (7/8ページ)

学生の窓口


こうやらなきゃいけない、そこから外れたらいけない、っていうのがありますよね?

――レールの上を外れるのが怖いということですよね。

そう。以前、東大でも阪大でも教えていて、みんないい学生が多いんですけど、小中くらいからもうエリートコースです。お金がなくて傘買えず、雨が降ったら学校休んだとか、そんな貧困のなかで生きてないですから、体験が少なすぎるんです。

でもボランティアすると、変な経験もったおっちゃんが出てきたり、よくわからない人が出てきたりして、いろんな人がいるんですよ。たまにそういう人から話聞くのも絶対いい人生経験になります。

といってもそれは自発的でなければいけない。今の子たちの間だとボランティアするなんて言うと、欺瞞とか偽善的と思うかもしれないけど、やりたいと思ったらやったらいい。やりたいと思う気持ちに欺瞞も偽善もないんですよ。

今まで経験してきたのとは違う経験がきっとあると思うので、その世界を変かなって思いながら楽しんでもらえたらいいなと思います。「えぇ!こんな人がいたの、こんなことがあったの?」って思ってもらえたらいい。

――ボランティアにおいて得られるいろんな経験を楽しむことが大事なんですね。

ボランティアを楽しんだらいいんですよ。崇高なボランティア精神とか無償性でなければいけないなんて思う必要がない。もちろん交通費出すよって言われたらもらったらいい。でもそれで大儲けするなんてことは絶対ないですから。そんな感じです。

――ありがとうございました。

ボランティアにはあくまでも自発性、自主性が大事とし、それを尊重していない今の東京オリンピック・パラリンピックボランティアには、いくつもの問題があることを解説してくれた中村先生。

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