世界三大「説教役者」って? サミュエル・L・ジャクソンらの名説教5選 (2/9ページ)
旧約聖書を引用した発砲前の説教
『パルプ・フィクション』(1994年)には、ヴィンセント(ジョン・トラボルタ)とジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)という二人組の殺し屋が登場します。ヘンな二人なのですが、特にジュールスには人殺しの前に旧約聖書を暗誦するという妙な癖があるのです。
以下は、組織を裏切った若者からアタッシェケースを取り返すためにアパートの一室を訪れ、裏切り者に対して行ったジュールスの説教です。
「聖書の中に今の状況にぴったりな一節があるぞ
エゼキエル書25章17節
心正しき者の歩む道は、
心悪しき者の利己と暴虐で阻まれる
愛と善意の名において
暗黒の谷で弱きを導く者に祝福を!
彼こそ兄弟を守り迷い子を救うものなり
私は、怒りに満ちた懲罰をもって兄弟を滅ぼす者に復讐をなす
彼らに復讐をなす時、私が主であることを知るだろう」
(猛烈な銃撃)
実はこの引用は正確ではありません。本当の「エゼキエル書25章17節」は、
And I will execute great vengeance upon them with furious rebukes; and they shall know that I am the Lord, when I shall lay my vengeance upon them.
ですので、
私は激しい叱責で彼らに大いなる報復を実行するだろう
その復讐の時、彼らは私が主であることを知るであろう
と訳せるでしょうか。上記のジュールスの説教のうち最後の2行は確かに旧約聖書からの引用ですが、これは実はタランティーノ監督が『ボディーガード牙』という映画(アメリカ劇場公開版のオープニング)からもってきたものなのです。