世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第314回 1997年以上に消費が落ち込んだ’14年増税

| 週刊実話

 日本はバブル崩壊後、1997年に橋本龍太郎政権が消費税増税、公共投資削減といった一連の緊縮財政を強行した結果、経済がデフレ化、GDP(国内総生産)が全く伸びなくなり、小国化路線をひた走っている。

 消費税増税とは、要するに「消費に対する罰金を強化する」ことを意味する。罰金を増やされた国民は、消費を「実質の量」で減らしていく。分かりやすく書くと、今まではパンを100個買っていたのを、95個に減らす、という話だ。

 実質消費の減少は、生産数量が減ることそのものである。国民の実質賃金は、生産性、つまりは生産者一人当たりの生産数量(及び労働分配率)で決定される。消費税増税で生産数量が減ると、国民の実質賃金は下落。実質的に所得が減った国民は、さらに消費“量”を減らすという、悪循環に突入する。

 信じがたい話だが、’14年4月の消費税増税は、日本をデフレに叩き込んだ’97年4月の増税以上に、日本国民の実質消費を減らしてしまった。いや、正しくは“減らしていっている”のである。

 図では、X軸(横軸)が四半期となっている。Q20とは、つまりは「20四半期後」であるため、消費税増税前後から5年間の値を見ているわけだ。

 また、図では実質の消費として、実質GDPの「持ち家の帰属家賃を除く家計消費支出」を採用した。理由は、持ち家の帰属家賃を含むと、実態が見えなくなってしまうためである。

 ご存知ない読者がほとんどだろうが、GDP統計や消費者物価指数では、持ち家に対する「架空の家賃」が帰属家賃としてカウントされている。帰属家賃とは何かといえば、実際には家賃を支払っていない住宅(持ち家など)について、通常の借家や借間と同様のサービスが生産され、消費がされたものとみなし、市場価格で評価した計算上の家賃のことである。つまりは「架空家賃」だ。

 というわけで、実際には支払われなかった帰属家賃を除き、二度の消費税増税期の駆け込み消費“前”の四半期、つまりは’96年10―12月期、’13年10―12月期を1とし、その後の実質消費の推移を比較したのが図になる。

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