緩和ケアやグリーフケアには然るべき援助者が存在することが必須である。多くの場合、終末期を迎えるのは病院であり、必然的に遺族は医療従事者と関わることとなる。その際に医療従事者に遺族ケアの知識があることでケアを援助することができる。そして近年、注目されているのが臨床宗教師の存在である。
■ケアの援助者 医療従事者
まずは医師である。患者、および家族にとって医師は距離のある存在であることが多い。「医師や看護師はしばしば家族に医学用語を用いて説明するが、医学用語は、一般の人々にはほとんど理解できない」(「死別の悲しみの臨床」医学書院)。例えば終末期の告知に際して家族は動揺しており、学術用語を駆使する医師の「権威」の前に萎縮することもある。また医師はこれまでに無数の患者を看取ってきた患者の気持ちに対して麻痺している場合もあり、死亡告知の際にも機械的な応対をしてしまうことがあると推察される。医師は遺族の悲嘆に取り組める準備が必要である。
次に看護師である。看護師は距離のある存在になりがちな医師と遺族をつなぐ接点となる存在である。患者の家族にとっては診察、治療、回診以外の院内における日常を支える看護士は医師よりも近い存在であるといえる。グリーフケアについての専門知識もあり、患者や家族を支援できる能力を持っている。医療と看護は相互補完するべき関係にあり、医師との密な協力の上で家族に近い立場で接することが大切である。
■ケアの援助者 ソーシャルワーカー(社会福祉士)
近年ではソーシャルワーカーの役割も注目されている。ソーシャルワーカーは医師ではないので医療行為に直接携わることはない家族にとっては、医師や看護士に向けられる怒りやフラストレーションに直面しなくて済む。彼らは葬儀の準備、親族との連絡など家族の代わりに取り仕切ることができ、医師、看護師と異なり外部との接触を密にできる。気力体力共に憔悴している遺族にはその実務能力が強い助けになることができる。これらの援助者に対してバーネルは従来常識とされている「死別に関する神話を一掃すること」、「常に真実を告げる」や「悪い知らせを告げてすぐに病室を去るといったことはしない」といった「遺族にかかわる際の『言ってよいこと・悪いこと』」を提言している。
緩和ケアやグリーフケアの現場で近年注目を集めている臨床宗教師とは
2021.11.09 19:00
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