白紙になったインドネシア高速鉄道計画 …問題視される「ジャワ島偏重」 (1/4ページ)
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去年から今年にかけて、インドネシアの高速鉄道計画が大きな話題になった。
新幹線の国外輸出事業は、ここ最近加熱している。その中でも2億5000万もの人口を誇るインドネシアでの新幹線開通は、日本の財界人の夢だった。
だがその夢は、「事業そのものの見直し」という結末によりあっけなく砕かれてしまう。ビジネスマンたちの落胆ぶりは、普段からインドネシアに接している筆者にもよく伝わっている。
この計画は、日本と中国が受注を争っていたことでも有名だった。日本側が円借款の金利を1パーセント未満にしたかと思えば、中国側がジャカルタで高速鉄道イベントを仕掛けてくる。日中の鉄道会社の重役がインドネシアのメディアに登場し、自国の高速鉄道がいかに優れているかをアピールする。
その様子は、まるでレスリングだった。バックを取られたらスイッチをかけて逆にバックを取り返す。タックルに来た相手をがぶり、リバースネルソンで引っくり返す。だが両者が持てる力を費やせば費やすほど、試合は長引いていった。
結局、その試合はレフェリーが止めたのだ。

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■ 「日尼の架け橋」の退場
新幹線の輸出計画の鍵を握っていると言われたのは、前貿易大臣のラフマット・ゴーベル氏だった。
ゴーベル氏は現政権内の知日派だった。中央大学の卒業生で、松下電器でビジネスマンとしての修行を積んでいた時代もある。去年10月のジョコ・ウィドド大統領就任から今に至るまで、インドネシア共和国貿易大臣として3度も来日している。ゴーベル氏は、日系財界人にとっての「窓口」であり「パイプ」だったのだ。
高速鉄道計画に対しても、日本の新幹線を推すようにと地方自治体の首長に呼びかけていた。