人間の怖さにゾクッとする、後味が悪い映画10選 (8/9ページ)
レクターは元精神科医で、自らの患者を惨殺した罪で収監されています。それまで、捜査協力を拒んでいたレクターでしたが、なぜかクラリスに興味を示し、条件付きながら捜査協力をすることになります。
連続誘拐殺人事件を追うストーリーですが、「羊たちの沈黙」の見所は事件そのもの以外のところにあるように思います。バッファロー・ビル事件解決を手助けするレクターは、一見非の打ち所のない優等生クラリスの「弱さ」を見抜き、彼女の過去にまで踏み込んでいきます。隔離された場所にいながら、巧みな交渉術で収監所の移動を実現し、さらに看守の隙をついた脱獄までやりおおせます。実在の連続殺人犯をモデルにしているという、レクター博士の完璧すぎる「凶悪犯」ぶりに背筋が凍る一本です。
監督:ジョナサン・デミ
原作:トマス・ハリス
キャスト:ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス、スコット・グレン、ケイシー・レモンズ
原題:The Silence of the Lambs
製作年:1991年
製作国:アメリカ
上映時間:118分
■歯止めが効かなくなった狂気「シャイニング」
スティーブン・キングの同名小説をスタンリー・キューブリックが映画化。名作中の名作ですが、原作から掛け離れているとのことで、当時スティーブン・キングはこの映画を批判していたというエピソードも。小説家のジャック・トランスは、アメリカ・コロラド州の山岳地帯にあるホテルの冬期休業中の管理人職にありつき家族でホテルを訪れます。妻ウェンディーと一人息子ダニーと三人、雪解けの観光シーズンまで外界との接触を断たれるこのホテルで過ごすことになります。しかし、このホテルには、孤独に心を蝕まれた管理人が家族を惨殺し、自らも命を絶ったという忌まわしい過去が……。
ホラー映画の名作として記憶される作品ですが、ホラー云々では済まされない怖ろしさがあるように思います。ストレスが極限に達した人間がどれほど危険な存在となり得るか。些細な誤解から人がお互いを信用できなくなるその過程。制御不能に陥っていくジャックの狂気を見事に演じ切ったジャック・ニコルソンの快演は、夢に出てきそうなくらい怖いです。