現代妊婦が抱える「隠れ栄養不足」とは? (4/7ページ)
そんな彼女たちも妊娠すれば普段より多めに栄養を摂ろうと意識すると思いますが、それでも「隠れ栄養不足」であることが予想されます。現状では、胎児(妊婦)および乳児(授乳婦)に必要な栄養を母体がとっていない「隠れ栄養不足」の可能性大です。
ちなみに、現状では葉酸の摂取量は推奨量を上回っていますが、妊婦や授乳婦の推奨量で考えると、葉酸の摂取量は不足します。妊娠中に葉酸が欠乏すると、胎児の神経管閉鎖障害や無脳症を引き起こすといわれています。
■過激なダイエットは「低出生体重児」を出産するリスクに平成26年度に調査された「国民健康・栄養調査」では、体格指数(BMI)が18.5未満の「やせ」に該当する女性が、20代で17.4%、30代で15.6%という結果がでています。また、平成24年人口動態統計によると、10人に1人(9.6%)の割合で「低出生体重児」が生まれているそうです。出生体重低下の主な原因は「やせ」状態での妊娠。「やせ」状態の妊娠は、早産や胎児の発育不全などのリスクを高めます。そのため、妊娠前からの体重管理は重要といえます。
食事摂取基準では、20代、30代の女性はBMI18.5~24.9の範囲となるよう、エネルギーコントロールが必要であると、明記されています。現代女性は美意識が高く、ダイエットにシビアですが、自分の健康のためにも、将来元気な赤ちゃんを産むためにも、やせすぎは避けるべきなのです。
●“受精の段階”における母体の栄養不足は赤ちゃんの健康に影響する母体の栄養不足によって、胎児が生活習慣病の素因を持って生まれるリスクがあることは、学説「成人病(生活習慣病)胎児期発症説:FOAD:Fetal Origins of Adult Disease」によって世界的に認められてきています。
この学説によれば、「受精時、胎芽期、胎児期または乳幼児期に低栄養または過栄養の環境にさらされると生活習慣病の遺伝素因が形成され、その後の生活習慣の負荷により生活習慣病が発症する」とのことですが、注目すべきは「受精時」という箇所。受精の段階における母体の栄養状態は、胎児の将来的な健康に大きく影響するということが記載されています。