宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)を描くSF的小説家、「H・P・ラヴクラフト」の作品に影響を与えた7つの執着や強迫概念 (7/8ページ)

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現代の多くのファンは、ラヴクラフトの天才的資質への敬意と、かなり問題のあるこうした他人種への嫌悪感をどう消化したらいいか、悩むところだろう。・7. 狂気に対する恐れ


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 ラヴクラフトの作品に出てくる登場人物は、いつも狂気寸前で彷徨っている。『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』では精神病院から患者が逃げ出す話や、『壁のなかの鼠』の最後には狂ってしまうデ・ラ・ポアの末裔など、登場人物たちはいつも禁断の知識を暴いてしまい、結局気が狂ってしまう。

 ラヴクラフトは、父親が精神病院に入院したり、母親がいつも不安定だったりと、子どもの頃から狂気に接していた。彼自身、神経症的なところがあり、若い頃に極度に鮮明な夢をみたりする傾向があったため、自分も同じ運命をだどることを怖れたのかもしれない。

 もしそうなら、彼が異常なまでに物質主義や無神論を叫んだのも確かに説明がつく。しかし、ラヴクラフトは宇宙を人間と知識が共存しているものと見ていた。その知識とは、理解したなら、狂気の崖っぷちを飛び越えてしまうものだ。彼のもっとも有名な『クトゥルフの呼び声』は、冒頭でこうした世界観を語ることから始まっている。

 この世でもっとも慈悲深いことは、わたしが思うに、人間の心がすべての事柄を関連させることができないということである。

 わたしたちは、無限の黒い海の真ん中、静かな無知の島に住んでいるが、それはわたしたちが遠くへ航海できないということではない。

 各方面に伸びるさまざまな科学は、これまでのところわたしたちに害を及ぼすことはほとんどないが、いつか、バラバラの知識の断片がひとつにまとまれば、現実の驚くべき展望や、その中にいるわたしたちの恐ろしい立場の謎が解けるだろう。

 そうしたら、わたしたちは、明らかにされた事実のせいで気が狂うか、新たな暗黒時代の平和や安全に差し込む強烈な光から逃げ惑うかのどちらかになるだろう。
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