有名奨学金制度「フルブライト」って一体どんな制度? (1/5ページ)

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奨学金、その制度の在り方について日本でも近年議論が盛んです。奨学金、その制度といえば「フルブライト」が世界的に最も有名ですね。世界でも著名な人々がフルブライト奨学金制度を利用してきました。しかし、フルブライト奨学金制度について、名前は聞いたことがあってもくわしく知っている人は少ないのではないでしょうか? 今回は、フルブライト奨学金制度についてご紹介します。

■コミュニケーション不足が決定的な亀裂を生む!

給付型の奨学金を提供する奨学制度として有名な「フルブライト」は、 J・ ウィリアム・フルブライト上院議員の提唱した「フルブライト教育交流計画」が米国議会に承認され、1946年に発足したことに始まります。

フルブライト奨学金制度の根幹は、

・外国の若者がアメリカで学ぶ援助をすること
・アメリカの若者が外国で学ぶ援助をすること

です。いわばアメリカとの相互留学生のための資金援助を行っているわけで、ここが他の奨学制度と大きく異なっています。

これは、提唱者のフルブライト上院議員の信念から出ています。1946年は、第二次世界大戦が終結した直後。広島、長崎への原爆投下による災禍を知ったフルブライト上院議員は、国民間の相互理解こそが決定的な亀裂を防ぐのだ、という信念に思い至ったのです。

彼は、アルバート・アインシュタインが、原爆投下直後に言った以下の言葉を好んで引用したそうです。

「今や、全てが変わってしまった。われわれの思考方法を除いては。われわれは比較にならないほどの破局に向かって流されつつある。人類が生き残りたいのなら、本質的に全く新しい思考方法を必要とするだろう」(『もうひとつの日米関係』P.14より引用)

フルブライト上院議員は、国同士の交流関係よりも、国民同士の交流関係、その相互理解こそが「新しい思考方法」であると捉えたのでしょう。

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