人類と酒の歴史。世界10の古代酒 (5/10ページ)
6. ティオティワカンの高栄養飲料

出典: karapaia
ティオティワカンの古代の陶器の破片から、乳白色のアルコール飲料の痕跡が発見された。この飲み物が、先史時代最大の定住地のひとつであるこの地域の住民に、必要なビタミンやミネラルを提供していたのではないかと研究者は考えている。
古代メキシコでは、食糧不足が頻繁に起こっていた。ティオティワカンの壁画には、人々がリュウゼツランの樹液から抽出したプルケという乳白色のアルコールを飲む絵が描かれている。テキーラもリュウゼツランから作るが、プルケと違って、この植物の芯の部分を炙って作る。
周囲8平方マイル、住民10万人のティオティワカンは、コロンブス前のアメリカ最大の町だった。トウモロコシは住民にとって、欠かせない作物だったが、地下水の量が限られていたり、降雨量が少なかったりすると、出来が悪くなるときがある。
しかも、トウモロコシは重要な栄養素の割合が低い。リュウゼツランのほうがトウモロコシよりも干ばつや寒さに強いこともあり、プルケが鉄分やカルシウム、ビタミンB、はては共生細菌(体にいいバクテリア)まで住民に提供することができたのだろう。