2020年以降の気候変動抑制の国際枠組み「パリ協定」 協定脱退の意向を示していた、トランプ氏が米大統領に就任…地球温暖化を前に考える、日本のエネルギー政策 (4/7ページ)

バリュープレス


「パリ協定」は2015年の「COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)」において採択された、2020年以降の気候変動抑制の国際的枠組みです。「パリ協定」の最大の特徴は、それ以前に採択された「京都議定書」と違い、先進国か途上国かにかかわらず、全ての国が温室効果ガスの排出量の削減・抑制のための目標を掲げるという「全員参加型」の枠組みになったという点です。
もう一つの特徴は「目標設定」にあります。「パリ協定」においては、各締約国が国情に応じて温室効果ガスの排出量の削減・抑制目標を設定しますが、これとは別に、世界全体の温度目標というのも定められています。具体的には、「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃未満に抑えるとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」というものです。また、「世界全体の目標」と「各国の取り組み」の2つがうまくバランスをとれるように、5年に一度、両者の比較をする、というプロセスも盛り込まれています。
“全員参加型”の枠組みができたというのは非常に意義があることです。ただ、それは体制の基礎が出来たにすぎないので、次はそれを運用するためのルールを作らなければいけません。各国には、「目標を策定し、進捗状況を報告し、レビューをする」というプロセスが義務づけられているのですが、具体的にどうやってレビューを進めるかなど、細かい手続きを決める必要があります。こうした中で、2016年12月の「COP22」では、今後2年かけて運用のための具体的なルール作りをおこなっていく、ということが決まったわけです。

◆「COP22」に水をさした、トランプ氏の大統領当選

Q. 2016年に実施された「COP22」の様子について、詳しくお聞かせください。
もともと「パリ協定」は、2020年以降の枠組みとして作られたものなので、当初、発効は2019年くらいになるとみられていました。ところが実際には、非常に早く批准が進んで、「COP22」直前の11月4日に発効することになりました。こういった意味で、「COP22」の冒頭は大変“お祭りムード”でした。つまり、「パリ協定」が予想をはるかに上回るスピードで発効したことで、各国が大いに盛り上がったというわけです。
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