2020年以降の気候変動抑制の国際枠組み「パリ協定」 協定脱退の意向を示していた、トランプ氏が米大統領に就任…地球温暖化を前に考える、日本のエネルギー政策 (6/7ページ)

バリュープレス


そして、トランプ氏が国内経済のみを優先して動くとなると、各国とアメリカとの国際競争におけるコスト差がどんどん広がってしまい、生産拠点がアメリカに移転してしまう可能性も生じてしまいます。「パリ協定」では、その特性上、各締約国が徐々に目標を引き上げていくことが期待されているのですが、このような状況下では、アメリカとの国際競争を考慮して、目標引き上げにブレーキがかかってしまう国も出てきかねません。

◆ アメリカの動向をふまえて、今日本がやるべきこととは?

Q. こうした中で、日本はどのような対応をしていくべきでしょうか?
トランプ政権のもと、今後アメリカが、「パリ協定」のルールブック作りにどの程度関与するのかは、正直未知数ですが、アメリカを疎外するようなことは決してすべきではありません。アメリカも、トランプ政権あるいは共和党政権が永遠に続くわけではなく、いずれ民主党政権に戻る可能性もあるでしょう。その際に、アメリカがしっかり居場所を確保できるようなルール作りをする必要があるというわけです。つまり、アメリカが積極的な働きかけをしなかったとしても、日本を含めたその他の国が、先を見据えてルール作りをリードしていくことが重要だと言えます。
また、自国が持っている優れたエネルギー環境技術を途上国に広げていくことも重要です。日本のビジネスチャンスを活かしつつ、技術の海外展開をしっかり考えるべきだと思います。また、イノベーションという点では特に、アメリカと協力する可能性は引き続き模索すべきだと言えます。共和党は伝統的にエネルギー研究開発を重視しているため、共通歩調をとれる要素はまだ残されていると思います。
そして、もちろん自国のエネルギー政策もしっかりと進めていくことが重要なのは、言うまでもありません。トランプ政権がどのような選択をしたとしても、日本は「パリ協定」を尊重すべきであり、温暖化対策においても最大限努力することが求められます。
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