2020年以降の気候変動抑制の国際枠組み「パリ協定」 協定脱退の意向を示していた、トランプ氏が米大統領に就任…地球温暖化を前に考える、日本のエネルギー政策 (5/7ページ)

バリュープレス

トランプ氏のアメリカ大統領当選はこうしたお祭りムードに水をさすことになりました。
アメリカは世界で2番目にCO2排出量が多い国であり、「パリ協定」における世界全体の目標を達成する上では、欠かすことのできない存在です。しかしながら、新大統領に当選したトランプ氏は、選挙期間中に、地球温暖化に対して極めて懐疑的なポジションを表明しています。CO2削減のためにオバマ政権が提示した「クリーンパワープラン」を取り下げる、国内の化石燃料の生産を増やす、「パリ協定」は脱退する、国連に対する拠出金も支払わないなどの発言もみられており、国際的な温暖化への取り組みに対しては明らかな冷や水効果となりかねません。
当選後のニューヨーク・タイムズのインタビューなどでは、オープンマインドで考えているという発言をするなど、選挙期間中に比べると、ややトーンダウンしたところもありますが、閣僚指名人事において、気候変動に対して懐疑的な立場であるオクラホマ州の司法長官を環境保護局の長官に指名したところなどをみると、今後、アメリカの温暖化対策は大きく後退するであろうという見方が有力です。

◆ トランプ氏の大統領当選が、世界の温暖化対策におよぼす影響とは?

Q. トランプ政権になってから、アメリカが「パリ協定」から脱退する可能性はありますか?
アメリカはすでにオバマ政権時代に「パリ協定」の批准を済ませています。「パリ協定」から抜けるためには、アメリカは最低でも4年の期間を要することになります。もし4年も待てないという場合は、「パリ協定」の親条約である「気候変動枠組条約」そのものから抜けるという選択肢もあり、この場合は1年で脱退が可能です。しかし、「気候変動枠組条約」の批准をしたのは、トランプ氏と同じ共和党政権時代のことですので、トランプ政権もそこまではやらないのではないかと思います。
こうなると、可能性が高いのは「気候変動枠組条約」には残り、「パリ協定」にも名前を連ねてはいるが、オバマ政権が出した温室効果ガス排出量の削減・抑制目標に対しては、事実上、無視をする、という方向です。トランプ政権は国内経済第一という考えを持っているため、エネルギーコストを引き上げて、アメリカの経済に余計な負担をかけるようなことは、ほぼ間違いなくやらないでしょう。

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