世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第208回 保護主義の時代、来たれり (1/3ページ)

週刊実話

 1月20日、新たにアメリカ大統領に就任したドナルド・トランプは、就任演説において、
「Protection will lead to great prosperity and strength.(保護主義は大いなる繁栄と強さをもたらす)」
 と、アメリカ国民や企業、市場を「保護する」政策に転換することを宣言した。保護主義の時代、来たれり、だ。
 保護主義の逆、グローバリズムあるいは自由貿易主義とは、政府による規制、保護を可能な限りなくすことを「善」とする考え方だ。特に、国境におけるモノ、ヒト、カネの移動について制限をかけない。各国が自由にモノやサービスを輸出入し、移民を奨励。資本移動についても自由化し、政府の規制を最小化することが経済成長をもたらすという「イズム」なのである。

 当たり前の話だが、すべてを自由にする「究極の自由主義」と、すべてを政府が規制する「究極の保護主義」との間には、無限のバリエーションがある。トランプ大統領は演説において、過去数十年のアメリカでは、
 「ワシントンの主流派たちは、自分たちは守ったが、アメリカ国民は守らなかった」
 と、アメリカ第一主義を貫き、二つの単純なルール、「バイ、アメリカン。ハイアー、アメリカン」を採用することを明言した。
 「アメリカ製品を買え。アメリカ国民を守れ」
 という話なのだが、よくよく考えてみるとアメリカ大統領がアメリカ国民を「保護するために働く」のは、当たり前の話だ。大統領や国家が国民を守らないというのであれば、政治家も政府もいらない。

 トランプの大統領就任式の3日前、イギリスのテリーザ・メイ首相がロンドンで演説し、
 「EUからの移民流入を制限していくため、欧州の単一市場から脱退する」
 との方針を表明。イギリス国民を移民流入から「保護する」決意を示した。
 EUは世界で最も進化した、別の言い方をすると「各国の主権を制限する」グローバリズムの国際協定である。グローバリズムと一言で言っても、実際には「段階がある」点に注意しなければならない。

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