福島原発事故から6年…存在が許されない“被ばく牛”と農家の物語を描いたドキュメンタリー映画『被ばく牛と生きる』が劇場公開のためのクラウドファンディングを開始 (3/8ページ)
強制避難を強いられた大半の農家は涙をのんで殺処分に応じましたが、十数件の畜産農家は同意しませんでした。「人間の役に立たないから殺す」という理不尽さに納得できなかったからです。狂牛病や口蹄疫と違って、放射能に汚染されただけでは、食べなければ直接人間に害は与えません。
それらの農家は賠償金を切り崩して莫大な餌代を負担し、ある農家は被曝を覚悟で住んではならない居住制限区域で住み、別の農家は1日置きに60キロ離れた仮設住宅から通い続け、今も被ばく牛を生かし続けています。
牛1頭の餌代は年間約20万円。30頭いれば、年間500万円を超える餌代がかかります。売り物にならない牛を生かす行為は、一般的には理解しづらい事かもしれません。
『被ばく牛と生きる』は、存在することが許されない「いのち」がテーマの映画です。被災した牛が殺処分されていく「いのち」が軽んじられる福島の現実を伝える一方で、私たち日本人が本来宿していた全ての「いのち」を慈しむ心をもち、被ばく牛を世話しつづける福島の農家の人々の姿をありのままに伝えます。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0Mzk2OSMxNzkzNDUjNDM5NjlfQ1lPeUxpY0NiaC5qcGc.jpg ]
■5月8日までに140万円の資金調達を目指してクラウドファンディングに挑戦
原発事故から6年。牛を生かしてきた農家も、長引く避難生活や高齢化、資金不足により次々に脱落し、今では5軒の農家が約600頭の牛を守るだけになりました。
また、岩手大学、東北大学、北里大学等の研究者が集まり、空間線量がいまだに平均15μ/Svもある浪江町・小丸地区で、3年以上にわたる被ばく牛の調査研究も続けられています。しかし、初期の被曝量が分からないという理由から国は、この研究に予算をつけようとしません。