冠動脈心疾患のリスクを高めるトランス脂肪酸、ほとんどの人がその危険性を理解していない!「トランス脂肪酸」の知られざる特徴とは? (9/9ページ)

バリュープレス

入手可能なデータに関しては、同一試験における飽和脂肪酸の効果についても図示しています。

トランス脂肪酸はLDLを飽和脂肪酸と同程度に上昇させるとともにHDL濃度は低下させるため、トランス脂肪酸がLDL: HDL比に及ぼす実際の影響は飽和脂肪酸の約2倍となります。直接比較が可能だった6件の試験3,5-8,11いずれの場合でも、トランス脂肪酸がLDL: HDL比に及ぼす影響は、飽和脂肪酸がLDL: HDL比に及ぼす影響と比較して明らかでした。総じてこれらの研究は、トランス脂肪酸は飽和脂肪酸と比較してLDL: HDL比の上昇率が大きいということを明確に裏付けるデータとなりました。

図1に示した最も当てはまりのよい回帰直線のとおり、トランス脂肪酸摂取量の絶対増加が2%の場合、LDL: HDL比が0.1単位上昇します。LDL: HDL比の1単位上昇は冠動脈心疾患リスクの53%増加と関連していることから、カロリーの平均2%をトランス脂肪酸から摂取しているアメリカ合衆国では、冠動脈心疾患による死亡が著しく多いことが予測されます。

飽和脂肪酸をトランス脂肪酸で代用した場合、LDL: HDL比が上昇するだけでなく、Lp(a)リポ蛋白濃度も上昇します。10件のうち9件の試験でLp(a)濃度の顕著な上昇が報告され6,8,10-13,16,17、トランス脂肪酸由来のエネルギー摂取量が2%増加すると、Lp(a)は平均0.5 mg/dL増加するという結果が出ました。一部の試験では、血中Lp(a)の高値は冠動脈心疾患リスク増加と関連していました。トランス脂肪酸によって誘発される血中Lp(a)のわずかな変動の影響は不明です。

トランス脂肪酸は空腹時中性脂肪濃度も上昇させます。中性脂肪濃度の上昇に関する多数の研究が報告されており、その範囲は1.0〜24 mg/dL(0.01〜0.27 mmol/L)で、トランス脂肪酸由来のエネルギー摂取量が2%増加すると中性脂肪は平均3.0 mg/dL(0.03 mmol/L)増加しました。このような心血管疾患リスク増加の影響はわずかではあるものの、好ましくない影響を与える可能性が高いとされています。



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