世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第244回 内部留保課税という狂気 (2/3ページ)

週刊実話

麻生太郎副総理兼財務大臣は、9月28日に東京都内の会合において、法人税の減税後も賃上げや投資に慎重な企業経営者に対し、
 「税金を下げた分で内部留保とは、なめちゃいかん」
 と、怒りをぶつけたが、なめているのは政府の方であり、企業経営者ではない。
 需要の安定的な(かつ長期の)拡大が見込めない中で、法人税を引き下げたところで、内部留保、配当金、自社株買いに回るに決まっている。そんな当たり前のことにすら気が付かず、グローバル株主に媚びる企業政策を推進してきたのが安倍政権なのだ。

 10月18日、金融庁が企業の内部留保について「説明責任を求めるなど、指針を策定する」という、とんでもないニュースが流れた。
 内部留保(正確には現預金)を貯めようが減らそうが、それは企業の勝手である。何故に、民間企業の預貯金の額にまで、政府がくちばしを挟む必要があるのか。

 昨今の日本政府は、
 「自分は財政出動をせず、支出を絞り込み、再デフレ化や実質賃金低下の責任を民間に押し付ける」
 という、手前勝手な姿勢を続けている。生産性革命とやらにしても、まずは政府が公共投資でインフラ整備をしなければならないにも関わらず、
 「民間の投資に期待する」
 とやってくるわけだ。長期のデフレが続き、需要の拡大に自信が持てない企業経営者が、政府が期待したところで、リスクがある投資に簡単に乗り出せるはずがない。
 現在の日本政府は「責任放棄」の色が実に濃いのだ。安倍政権は「グローバリズム」路線に忠実である。グローバリズム路線とは、要するに「小さな政府」を志向する新自由主義になる。当然ながら、国内の諸問題に対し「政府は何もしない。すべては民間の自己責任」という路線にならざるを得ないのだ。

 なぜ、我々経営者(筆者も一応、経営者)は現預金を貯め込み、人件費を引き上げず、投資に踏み切らないのか。理由はもちろん、不安だからである。そして、我々が不安を鎮めるためには、二つしか方法がない。
 一つは、現預金を貯め込む。
 そして、もう一つが「需要の安定的な拡大を確信すること」になる。

「世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第244回 内部留保課税という狂気」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る