「闇」を演じる難しさ。『曇天に笑う』桐山漣インタビュー (3/4ページ)
下駄は底も厚いし、足をくじいちゃうんじゃないかと思って心配だったんですけど、聞いてみたら「俺、足首強いんで大丈夫です」って言っていて、「え、足首強いとかあるんだ!?」って(笑)。ああやって何人も倒してたら、足首がグリンってなっちゃいそうじゃないですか。武器も鉄扇っていう特殊なものなので、リーチも短いし難しかったと思いますけど、完成した映画を見たらさすがだなぁと感心しました。
――家族愛や友情も今作のテーマになっていると思うんですけど、演じてみて、感じたことがあれば教えてください。
もし、天火と白子がちがう時代に生まれていたら、もっと別の関係になれたんじゃないかとか、いつまでもかけがえのない時間が続いたんだろうな、と思う。でも、どんなことがあっても笑っていられる、強く育っていくこの三兄弟を温かく見守ってもらえればいいな。白子のことを言うと、三兄弟に拾われて、ひとつ屋根の下で家族同然の仲になって……。その運命の中で、彼自身にも揺れがあって、だから最後ああいう決断をしたのかもしれません。そこにすごくドラマがあると思いますね。
――そんな今作のテーマと、桐山さんご自身の家族への気持ちと重なる部分はありますか?
僕自身も男兄弟なので、特に空丸と宙太郎のことは弟のように見ていました。ただ、そういう目で見るときとそうでないときの2つの気持ちが重なってしまって、複雑ではありましたね。だから、白子がこのときどう思っていたのかは、見返してもらうと気づいてもらえるはずなので、できれば2回見てほしいです。最初はみんな、天火とか空丸に感情移入して見ると思うんですよ。なので、2回目は白子の気持ちになって見てもらうと「なるほど」と納得できるんじゃないかな。
――お話を聞いていると、本作ではかなり感情を抑えた演技を意識されたんですね。
そこが難しいところなんですよね。感情を出さなすぎても薄っぺらくなってしまうから。だから、そのバランスは監督と常に話し合いながら演じました。原作やアニメではきちんと感情を隠した上で成立してるんですけど、映画だとある程度は観ている人にわかってもらえるように演技しないといけないというか。