心理学を悪用した非人道的な10の事例 (1/7ページ)
心理学は、人が人生で起こるさまざまな場面でどのように考え、振る舞い、反応し、行動するかを理解するのに役立つための学問だ。社会の中で人がもっとも大切な役割を果たしていると考えれば、極めて重要なものだが、残念ながら心理学がいつも有益に活用されるとは限らない。その知識が邪悪なことに利用されれば、その結果がおぞましいものになるのは必須だ。
ここでは心理学を悪用した10の非道徳でやり口の汚い、卑劣な事例を見ていくことにしよう。
・10. 捕虜の尋問プログラムを悪用し、情報を引き出す技術を開発

アメリカ軍は兵士が敵の手に落ちて捕虜となってしまったときのことを常に懸念している。この問題に対処するため、軍の心理学者たちは兵士に拷問に耐える術を教える訓練プログラムを考え出した。このプログラムは、生存(Survival)、回避(Evasion)、抵抗(Resistance)、脱走(Escape)の頭文字をとってSEREと呼ばれている。
ところが残念なことに、9.11以降、CIAや国防総省の多くの高官たちは、手段を選ばずに捕虜から情報を引き出すことこそが、心理学者たちの義務だと考えるようになった。
軍の心理学者、ミッチェルとジェッセンは敵の抑留者を落とすために、軍のSEREプログラムを逆に解析して、ストレスを与える姿勢をさせる、水責め、屈辱を与えるなど、敵の士気をくじくさまざまなテクニックを編み出した。
彼らの解析成果の多くは、学習性無力感という言葉を作ったドクター・セリグマンの研究がきっかけになったという。犬が逆らわなくなるまで徹底して電気ショックを与えると、彼らはチャンスがあっても痛みから逃げようとしなくなるという。セリグマン自身は軍のこうした行き過ぎた拷問テクニックへの関与を否定していたが、彼の研究は確かにSEREの逆行分析をした心理学者に影響を与えていたのだ。