田中角栄「名勝負物語」 第二番 福田赳夫(3) (3/3ページ)
いよいよ「角福総裁選」の年である昭和47年(1972年)1月、田中角栄通産大臣、福田赳夫外務大臣を同行させ、ニクソン大統領との日米首脳会談で「沖縄返還」に念を押した形の佐藤栄作首相一行は帰国した。その「沖縄返還」はこの年5月15日に実現、佐藤は6月17日、これを花道として7年8カ月の長期政権にピリオドを打ち、引退声明を出したのである。
総裁選は、7月5日と決まった。戦闘開始、“開禁”である。常々「負ける戦いはしない」と豪語していた田中の動きはさらに拍車をかけ、一方の福田はここに至ってもなお“福田乗り”とされた佐藤の意向を信じ頼っていたことからか、動きは鈍かった。戦略の差は歴然だったのである。田中の死にもの狂いの戦いが始まった。
(文中敬称略/この項つづく)
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小林吉弥(こばやしきちや)
早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。