ベストセラーを生み出す編集者・柿内尚文 その目が見据える出版社の行き先とは? (1/5ページ)
出版不況といわれるこの時代にベストセラーを連発している出版社・アスコム。
実用・ビジネスジャンルでヒット作を連発。2013年、2014年には2年連続でミリオンセラーを出版している。
なぜ、アスコムは売れる本を作れるのか? その秘訣を最も知っている人物である取締役編集部長の柿内尚文氏に「出版業界の課題」と「ヒットの作り方」についてお話を伺うことができた。
その後編では、柿内氏の半生から始まり、出版業界の未来をどう考えるかなどの話をうかがっている。
(取材・文:金井元貴)
■とにかく否定され続けた編集者下積み時代 ――柿内さんはどんな学生時代を送っていらっしゃったんですか?柿内:中学生のころから、とにかく流行っているものが大好きでした。テレビ、ファッション、音楽、雑誌……時代を追いかけ続けていた学生時代でした。
中学高校時代は特にファッションに関心があったので、ファッションデザイナーになりたいと思っていたんですよ。当時はデザイナーズブランドが大ブームで、僕も渋谷の丸井のセールの行列にもよく並んでいました(笑)。大学に入ったらダブルスクールでファッションの専門学校に行こうと思っていたんですが、大学に入学してすぐに自堕落な生活に染まってしまって(苦笑)、ダブルスクールどころか、大学の授業にもほとんど出ないような生活をしていました。時代がバブルだったのもあって、とにかく遊んでばかりのダメ大学生でした。大学の専門が社会学だったんですが、卒論のテーマも「遊び」にしたくらいです(苦笑)。
――大学を卒業して、最初は広告代理店にお勤めになるんですよね?柿内:そうです。広告代理店で営業をしていました。ファッション業界への道を諦めたときに、次に目が行ったのが、当時すごくキラキラしていた広告業界でした。ミーハー心だけで、志望したという感じです。ただ、営業ではなく、マーケティングを志望していたんですが、配属されたのは営業部でした。