死にゆくオフィーリアから白ユリの美少女まで、ロンドンの「テート・ブリテン」で絶世の美女に会う旅 (7/9ページ)

GOTRIP!

アメリカ人の両親の元、イタリアで生まれたジョン・シンガー・サージェント(John Singer Sargent)は、19世紀後半から20世紀前半にイギリスで活躍した画家です。
一日にほんの数時間、夕暮れ時に屋外で制作されたというこの作品。少女たちとその周りを取り囲む花々の純粋無垢な美しさと、提灯の優しい灯りに、なんとも言えない心の安らぎを覚えます。
絵の素朴な内容とはかなり対象的に豪華な黄金の額縁との対比も見事です。

・「マクベス夫人に扮したエレン・テリー(Ellen Terry as Lady Macbeth)」

1889年、展示室1840 

言わずと知れたシェイクスピアの戯曲「マクベス」。当時のシェイクスピア劇で活躍した人気女優、エレン・テリー(Ellen Terry)が演ずるマクベス夫人に衝撃を受けた画家、ジョン・シンガー・サージェントが、絵のモデルになるようエレンに懇願して書き上げた大作です。

勇壮な将軍であるマクベスは、野望溢れる妻に叱咤され、主君を暗殺して王位を奪ったものの、その重圧や亡霊に怯えて錯乱し、ついには貴族や王族らの復讐に倒れます。マクベス夫人も罪悪感から精神に異常をきたして死んでいきます。

縦2メートル21センチ、横1メートル14センチという絵の大きさもさることながら、念願の王冠を頭上にかかげ、権力に取り憑かれて狂気に満ちたマクベス夫人の迫力に圧倒されます。ただ、実際の舞台ではこのポーズはとっておらず、サージェントが考えだしたものだそうです。

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