バカしかいないSNSという地獄空間(ロマン優光) (2/7ページ)

ブッチNEWS

わかりやすい例で言えば、人種差別反対主義者=サヨク、安倍首相=ネトウヨみたいなやつですね。人種差別に反対していても総論としては保守思想や民族主義的考えをもっている人もいますし、安倍政権を支持していても経済政策をメインに評価しているだけでネトウヨ的な願望を安倍首相に対して求めていない人も当然います。
 こういう風に実情と違うレッテルを貼って相手の言葉を解釈していくと、当然歪んだ解釈をしがちですし、「あいつはこういう奴だからこう考えているに違いない」という思い込みで文章を読んでいくと関係ないものまでそういうふうに読めてしまうものです。

 わかりやすい例として政治的な話を出しましたが、これは別に話題が政治に限った話ではないのです。「『けものフレンズ』のファンはこういうやつに違いない」「サブカルとはこういうものなので、同じ意見ではないこいつは過去について全く勉強していないに違いない」「アイドル好きでパンクが好きな奴はそれを誇っているに違いない」というような思い込みを元におかしな解釈を他人の文章に加えていく。全く違った文脈の発言も、そこに書かれていないようなことまで妄想して勝手に解釈していく。
 自分の目にとまった単語を自分の頭の中の答えに沿ってつぎはぎをして全く違った内容を作ってしまうのです。本人はわざとやっているわけではなく、本気でそう思い込んでいるのでタチが悪い。しかも、こういう人に限って自分の過ちを指摘されても謝らないのです。

 現実を冷静に観察して判断することよりも、頭の中の答えを優先して間違った解釈を連発してしまう人は自分が絶対に正しいという自信がある人だと思うのですよ。いや、自信があるというよりも思い込んでいるという方が正しいのかもしれません。自分が絶対に正しいと思い込んでいるから、他人にミスを指摘されても受け入れられない。絶対に自分が間違うわけがないと、どこかで思っているからなのです。自分が正しいに決まっているから、その指摘は相手の言いがかり、もしくは誤解でしかないのです。
 こういう自信というか、思い込みを持っている人は、常に自分が間違っているのではないかと考えてしまう、自分のような人間にとってはうらやましいかぎりです。

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