バカしかいないSNSという地獄空間(ロマン優光) (6/7ページ)
むやみに他人を不快にさせないようにSNS上の言動に気を付けるのは良いことでもありますが、それがSNSの世界以外にも適用されると考えるのも愚かな考えです。思考というものは、反対の立場の批判的な意見に触れることで、それに対して論理的に反論するような過程を経て深化する部分があるものです。真っ当な批判は必要なものだと思います。
自分自身や自分の作品、自分の信じているもの、好きなものに対する否定的な言葉は不快なものです。しかし、それが単なる言いがかりに根差した罵倒にすぎないのか、分析に基づいた論理的な批判を含むものなのかの区別をつけて、それが参考に値するものであれば参考にすべきなのです。別にSNS上で直接やりとりする必要はないし、互いに共感し合えるようになる必要もないのです。
ただ、自分の考えを深めるためには反対側に立つ論理的な思考が必要なのです。たとえ、その方向性が嫌いでも。
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