世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第321回スペンディング・ファースト (3/3ページ)
政府は「国民の負担」になる徴税や、あるいは見た目の負債拡大になる「国債発行(日銀が国債を買い取れば、返済・利払い負担は消えるが)」なしで支出を拡大し、GDPを増やす。つまりは国民を「豊かにする」ことが可能なのである。
「そんなバカな!」と、思いたくなった読者は少なくないだろうが、単なる現実であり、可能性の話ではない。政府は間違いなく、OMFによるおカネ発行でGDP、つまりは“生産”と“需要”、そして国民の「所得」を拡大できる存在なのだ。
無論、国債発行同様に「無制限なおカネ発行」が可能という話ではない。政府の支出(図(2))は、需要の拡大そのものだ。政府がOMFなり国債発行で需要を創出したとして、国民経済の供給能力が追い付かなければ、インフレ率が健全な範囲を超えて上昇してしまう。冒頭の「(2)すべての経済は、生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある」の通り、より分かりやすく書くと「モノやサービスの生産能力」という限界はあるわけだ。
いずれにせよ、財務省証券と日銀当座預金を交換するだけで、一切の負担なくおカネを支出し、需要を創出できるのが「政府」という存在なのだ。それにも関わらず、相変わらずありもしない「財政破綻」を理由に、緊縮財政、消費税増税路線をひた走っているのが我が国なのである。この現実を、読者はいかに受け止めるだろうか。
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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。