世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第321回スペンディング・ファースト (1/3ページ)

週刊実話

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第321回スペンディング・ファースト

 MMT(現代貨幣理論)は、
(1)自国通貨を持つ政府は、財政的な予算制約に直面することはない
(2)すべての経済は、生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある
(3)政府の赤字は、その他の経済主体の黒字
 という事実や、第318回の「インフレ率は財政政策でコントロールできる」、第320回の「統合政府の国債・財投債は市中銀行でいえば定期預金にすぎない」などに加え、実に興味深い視点を提供してくれた。言われてみれば当たり前なのだが、言われない限り絶対に気づかない“現実”の見方である。すなわち「スペンディング・ファースト(支出が先)」だ。

 我々、一般の国民は、「政府は徴税で資金を調達し、予算として支出をしている」と、思いがちだ。その理由は、我々の日常生活やビジネスが、まさに上記のプロセスであるためだ。所得を稼ぎ、支出をする。家計や企業にとっては当たり前だが、実は政府にとっては違う。

 政府の国民からの徴税、あるいは我々が政府に支払わなければならない税額が確定するのは“いつ”だろうか。もちろん、確定申告の終了時である。

 確定申告は、例えば2018年であれば、「2018年1月1日から12月31日」までの課税期間の収入・支出、控除等を税務署に申告し、納付すべき税額を確定する。確定申告の時期は、「2019年2月16日から3月15日までの1カ月間」である。

 繰り返すが、2018年の経済的な行為について、我々は翌’19年2月及び3月に申告しているのだ。つまりは、2019年3月以降、確定申告後の税金支払いまで、政府は最終的な税収を得られないことになる。

 ところが、政府は2018年の予算については、普通に執行している。おカネを支出しているのだ。

 政府は税収や国債発行(民間金融機関からの借入)なしでも、予算を支出できる。というよりも、実際にしている。支出が先、つまりはスペンディング・ファーストである。

 国債発行なしで、政府はいかにしておカネを支出しているのだろうか。別に難しいことをやっているわけではなく、単に「統合政府(日本政府+日本銀行)」内で政府短期証券(財務省証券)と日銀当座預金を交換しているにすぎない。

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