「すべてが便利でなくていい」京大・川上教授が研究する、世界をよくする「不便益」とは? (5/8ページ)

学生の窓口

また自動車の話になりますが、今はリモートコントロールキーが主流で、ボタンを押すと簡単にロック・解除ができます。ただし、ボタンを押せば赤外線が飛んでロックされるというのは、機械との約束です。ボタンを押してピピッと鳴っても、ロックされていないかもしれませんよね。

鍵を差し込んでひねってロックするのは、手間が掛かりますが、ひねることで機械が動き、ガチャっとロックされるのがちゃんとわかりますから、安心できます。

――本当にロックされているのか不安でもう一度ボタンを押したり、近くに行って確認したりする人もいますね。

川上先生 そうやって、発見・工夫をすることで今度は「上達」が得られます。対象を理解していれば、工夫の幅も広がるため、上達を後押ししてくれます。そうして発見・工夫・理解を繰り返していくうちに、パーソナライゼーション(自分だけのものと思わせるようになること)が得られます。また「バリアアリー」のように「能力低下を防ぐこと」も不便から得られる益です。

「不便益」は新しいデザインを生み出せるのが面白い

――不便益の研究の面白いと思うところは何ですか?

川上先生 不便益を踏まえた、新しいデザイン案を生み出すのが面白いですね。不便という観点で見ると、これまで思ってもみなかった発想のデザインが出てくることがあります。また、これまで「不便なことでいいことは何一つない」という考えだった人が、不便益に触れて考え方が変わり、「不便なことがプラスになる新しいデザイン」をどんどん考えるようになるのを見るのもうれしいですね。

研究室

先生の研究室。

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