「すべてが便利でなくていい」京大・川上教授が研究する、世界をよくする「不便益」とは? (8/8ページ)

学生の窓口

――そうなると、使う側も選択の幅が広がりますし、多様性も生まれますね。

川上先生 そうですね。何もかもが便利なものになるのではなく、「何もかも便利な方がいいんだ」という便利志向の人は便利なものを手に取り、「手間を掛けたい」という人は不便益のものを手に取る、そんな世の中にしたいですね。

いろんな考えを持ってみよう

――最後に、研究者を目指す大学生へのメッセージをお願いします。

川上先生 いろんな考えを持ってほしいです。「いつでもどこでも誰かと同じ」では楽しくないですからね。その上で、誰かと同じにならないようにするには、どうすればいいのかを考えてみると、自分が目指すものが見えてくるかもしれませんよ。

――ありがとうございました。

便利というのはうれしいことですが、新しい発見や成長の機会を失ってしまっているのかもしれません。一方、不便で手間の掛かるものでも、実は自分にとってプラスになることがえられる可能性があります。

ときにはあえて不便なものを選んでみてはどうでしょうか? もしかしたら、便利なものを使っていたときよりも充実した毎日が送れるかもしれませんね。

(中田ボンベ@dcp)

川上先生プロフィール
京都大学情報学研究科特定教授。人工知能や進化論的計算手法をシステムデザインに応用してきたが、京都大学共生システム論研究室に配属後、人と人工物の関係を考え直し、「自動化」に代わるデザインの方向性を模索中。著書に『不便益のススメ: 新しいデザインを求めて』(岩波書店)、『不便から生まれるデザイン: 工学に活かす常識を超えた発想 』(化学同人)など。

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