日本の漫画、アニメ、特撮を歴史学の観点でひもとく! 創価大学・森下達博士の研究 (4/8ページ)
マンガはいつどのようにして「近代的な物語性」を獲得したのか?
――先生は特撮、SFなどを研究対象にしていらっしゃいますが、これからどのような研究を行うおつもりでしょうか?

森下先生 これまで「特撮」「SF」に絞っていましたが、いよいよと言いますか「マンガ」についても研究対象としていきたいと思っています。ただ、現在のようにジャンルも作品数も大きく広がってしまったマンガを全て論じるのは不可能ですし、また論じるにしても何か統一的な視点を持って臨まないと難しいですよね。
――確かに、マンガと一口に言っても今では作品も数え切れないぐらいあります。
森下先生 マンガは今ではあって当たり前のものになっていますが、昔はそうではありませんでした。マンガという言葉が「画風」を指す言葉だった時代もあったのです。今の人たちはすっかり忘れていますが、マンガがカウンターカルチャー化した1960年代後半までには「マンガ批評」も盛んではありませんでした。批評の対象になるようなものとは見なされていなかったのです。
しかし現在では、マンガという言葉は「物語メディア」といった意味で用いられており、また批評に足る対象となっています。これはなぜ、どのようにしてそうなったのでしょうか?
そのような流れを、手塚治虫を中心とした1940-50年代のマンガ作品の「物語性」に着目して研究できたらと考えています。実はマンガの物語性、物語そのものについて論じた研究というのはあまりないのです。マンガはいかにして近代的な物語性を獲得したのかを明らかにしていきたいですね。