日本の漫画、アニメ、特撮を歴史学の観点でひもとく! 創価大学・森下達博士の研究 (6/8ページ)
しかし、スペクタクル一辺倒ではやはり寂しいですし、そもそもスペクタクルと物語性は対立するものではないし、両立するものだと思います。特撮の場合にもマンガと同じく「物語性」があってほしいですね。
――ポピュラー・カルチャーの激動期だからこそ、マンガや特撮の作品にはもう一度物語性を問い直してほしいということですね。
研究の「面白い点」と「つらい点」――先生の研究の面白い点はどんなところでしょうか?
森下先生 「当たり前のことを問い直すこと」だと思います。例えば、現在の若い人たちにとって、ポピュラー・カルチャーと呼ばれるものは、生まれたときから存在したし、あるのが当たり前でしょう。しかし、実はあって当たり前のものではないんですね。
それらがない時代があり、やがてそれが私たちの社会・生活と密接に関係するようになり、当たり前のものになる。僕らが当たり前だと思っていることは当たり前じゃないんだ、ということが分かるのは面白い点です。
――では逆に研究のつらい点はどんなことでしょうか。
森下先生 息抜きができない点でしょうか。映画やマンガは本来人が息抜きで楽しむものですが……こういう研究をしていますと、気分転換にと思って映画を見たり、マンガを読んでもつい研究者の視線で見てしまうのです。そのせいで息抜きにならなかったりします(笑)。
――なるほど。気分転換が気分転換にならないのはつらいですね。

森下先生の研究室は創価大学キャンパスの中央教育棟にあります。