【召喚連載】メガテン大司教 鈴木一也の邪教の館 第10回「チャンスか? 南の問題児」 (8/9ページ)
李載壽中将の自決は……特に酷かった」
大司教「最近のことなのか? 中将といえばものすごく高い位ではないか」
ノ「そうだ。去年の暮のこと。冤罪で逮捕状もないのに、この中将はTVカメラの前で手錠をかけられ、辱めを受けた。これは軍人として耐え難いことだ」
大司教「そこまで面子にこだわるのか」
ノ「ボクらにとって面子は一番大事ね。面子が潰されたら潰した相手を気持ち的には滅しても良いと思っている」
大司教「恐ろしいな」
ノ「李中将は軍の元機務司令官、つまり諜報機関のトップだよ。特に対北朝鮮諜報の最要人。文が対北朝鮮政策を水面下で動かすのに邪魔な存在だったね。明らかに政治的理由で完全排除されたよ」
大司教「李中将は結局自決に追い込まれたようにして消されたと……」
ノ「そういうこと。さまざまな圧力で嫌がらせをして、恥辱に耐え切れなくさせたね。こうした全体主義的圧政に対する抗議のための自決ということになった。彼は軍でも高潔な人格者として人望があり、慕う者も多かった。軍部の文政権に対する恨みはそれは根深いものになった。消されたのは李中将だけじゃない、他にもかなりの数がいる」
大司教「そんなにいるのか!?」
ノ「軍だけじゃなく、司法やいろいろね」
大司教「酷いものだな。なぜクーデターが起こらない?」
ノ「クーデターができないほど、人事で文の息のかかった者が幹部中枢を占めるようになったからよ。それに疑われた者は密かに消されるという恐怖政治スタイルが効いてる。