歌舞伎や寄席、相撲でよく見る「江戸文字」実は呼称もデザインも全て違う。正しくはなんて言うの? (1/5ページ)
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よく寄席や歌舞伎に行くとみかける、独特のフォルムの丸っこい文字。相撲の番付表の文字にも似てますよね。みなさん、全部同じ書体だと思っていませんか?
それらひっくるめて通称「江戸文字」と呼ばれますが、実は成り立ちもデザインも違う文字なのです。
江戸文字のもとになった文字は?源流をたどると、能筆で知られた伏見天皇を父にもつ尊円法親王(1298~1356)に行き当たります。彼は現在も存在する京都の青蓮院門跡にて、書に勤しんでおりました。門跡とは、皇族や公家が住職を務める寺院のこと。彼はその青蓮院から名をとり、「青蓮院流」を創始します。その書は実用的であり、「御家流」と名を変えて広く一般にも行き渡ります。
徳川幕府は公式文書の読み間違いを防ぐため、この御家流を公用文字として使い始めます。書簡や高札や制札にも使い、我流の崩し字を許さず統一しました。そのため、寺子屋の手習いの字などの見本にもなり、瞬く間に大衆化して全国に浸透しました。
この御家流の文字が元になって、町人文化が花開くとともに、様々な書体が発展していったというわけです。
歌舞伎は「勘亭流」、通称「芝居文字」歌舞伎で使われるのは「勘亭流」、通称「芝居文字」とも呼ばれます。1779年(安永8年)に御家流の書家であった岡崎屋勘六が中村座の依頼で考案。勘亭流の名は彼の屋号「勘亭」に由来します。
でっぷりとした太い線が内側へ巻き込むように隙間なく書かれた書体は、わざと判別できるかできないかのギリギリまでデフォルメされています。これは「何と書いてあるのか読めれば、あなたは『通』だよ」という遊び心が込められているといいます。
