世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第339回 合成の誤謬 (3/3ページ)
もちろん、悪いのはデフレ期の消費税増税を強行する政府であり、安倍政権だ。とはいえ、「合成の誤謬」を理解せず、事態を悪化させる節約礼賛の報道を続けてきたメディアも、間違いなく共犯者だ。
厄介なことに、消費税増税でメディアの煽りを受け、現実に消費が減ると、国民の実質賃金が低迷し、税収も減少。税収が減れば、当然ながら赤字国債が増える。すると「国の借金で破綻する」というわけで、更なる消費税増税という悪夢の循環に突入してしまう。というか、’97年以降の我が国は、実際に突入している。
我々は、「合成の誤謬」という亡国の呪いを打ち払わなければならない。とはいえ、実質賃金が下落している状況で、国民に消費を増やせなど、無茶もいいところだ。また、デフレ継続で儲からない国では、企業は投資を拡大することはない。結局、デフレ期に積極的に支出を拡大できる存在は、政府だけなのだ。
「国債発行+財政出動+消費税廃止」これが、唯一の正解になる。消費税の廃止が短期間では困難だったとしても、国債発行+財政出動は、国会で予算を組むだけで可能だ。
合成の誤謬という厄介な社会現象を打ち払い、日本国をデフレから脱却させるためには、貨幣発行が可能で、非合理的な支出拡大ができる政府が動くしかないのである。
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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。