マーティン・スコセッシが映画監督志望の若者にすすめた日本映画7本 (3/4ページ)
江戸時代の怪異小説『雨月物語』の中の2編と、モーパッサンの短編『勲章』を元にストーリーが作られています。中盤以降のモノクロながらも幻想的で美しい映像が魅力的で、『第13回ヴェネツィア国際映画祭』で銀獅子賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得ています。
溝口健二監督は女性が虐げられるさまをリアルに描くことでも知られ、本作でも男の夢のために翻弄される悲しい女性たちの姿が描かれています。
安寿と厨子王の幼い姉弟は、父に会いに行く途中で人買いにだまされ、山椒大夫の奴隷にされてしまいます。過酷な毎日を送りながらも成長した二人は、ついに山椒大夫の荘園からの脱走を企てます。厨子王は無事に脱出しますが、弟を逃がすために安寿は一人残ることに……というストーリーの作品。
森鴎外の小説を元にした作品で、安寿と厨子王の幼い姉弟の悲劇を描いています。溝口作品らしく映像の美しさが魅力で、特に一人残った安寿が再び山椒大夫に捕まるのを避けるために沼に身を投げるシーンは必見です。
悲しくはかなく、それでいて安寿の力強い決意が垣間見える名シーンです。
ある日、製靴会社の常務・権藤の下に「子供を誘拐した」と電話が入ります。しかし権藤の息子は無事で、実は権藤の運転手・青木の息子が間違って誘拐されたのです。青木は権藤に身代金を払うよう頼みますが権藤は聞きません。実は権藤には身代金を払えない事情があり……。
黒澤明監督による現代劇で、エド・マクベインの小説『キングの身代金』が原作です。映画の前半と後半で物語が大きく変化するのが特徴で、前半は誘拐事件を巡るヒューマンドラマ、後半は事件の真相に迫る推理ドラマとなっています。前半は三船敏郎、後半は仲代達矢と中心人物が変わるのも面白い点。
時間を忘れて見入ってしまう、極上のエンターテインメント作品といえます。
『絞死刑』(1968年)殺人罪で捕まった死刑囚Rが絞首刑に処せられます。しかし、首つり状態になってもRは死ぬことがなく、処刑は失敗。