やっぱり浮世絵師・鈴木春信が好き!代表作「風俗四季哥仙」に観る春信の魅力 その2 (5/8ページ)
この頃、結婚しているの有無に関わらず振袖は19歳までという説もあり、この少女は19を過ぎた年頃だと考える事もできるのですが、私が気になるのは、おはしょりの下に結ばれている“抱帯”の存在です。
この時代、女性の着物の長さは長くなり、室内では“おひきずり”の状態で着用していました。しかし、外出する際は着物の裾が汚れるので、着物の丈を“はしょって”袋帯で結んで留めたのです。あるいは着物の丈をはしょって帯で調節する着方もありました。
右の少女の“松の模様”の振袖の少女は座っているので、袋帯を締めているのか分かりませんが、左の少女の着物は右の少女の着物に比べるとやや質素なようにも見受けられます。
もしかすると左の少女は右の少女の世話係の女性であるのかもしれず、そのため働きやすい“小袖”の着物を着ているのかもしれません。
しかし、左の女性は足袋を履いています。寒いのだから足袋を履くのは当然だろうと思われる方も多いと思いますが、この頃足袋は高価なもので、もし世話係の女性であれば裸足であっても不思議ではないのです。ということは左の女性もこの屋敷の娘なのか・・・などと当時の人もこの絵をみて、あれこれ読み込んで楽しんだのです。