織田信長に殺された悲劇の女城主「おつやの方」がたどった数奇な運命【中】 (3/4ページ)
しかし衆寡敵せず、また信長からの援軍もままならない苦境の末、艶たちはいよいよ追い詰められてしまいます。
「もはやこれまで……御坊丸や、覚悟はよいか……?」
敵の手にかかるよりは、と自害を決した艶でしたが、そこへ武田の使者がやって来ました。
岩村城は陥落、そして艶は……「なんと、妾を……?」
虎繁の要求は、概ね以下の通りでした。
一、降伏すれば、岩村城内にいる全員の命を助ける。
一、織田方への人質として指定する者以外は、その身柄を解放する。
一、武田に仕えず岩村城から去る者については、当座の路銀と糧米を支給する。
ここまで聞く限り、誠に寛大な処置に思えますが、最後にこんな一か条が示されました。
一、修理婦人(艶)は、虎繁の妻となること。
要するに虎繁は「艶さえ結婚してくれれば、皆の命を助ける」と言ったのですが、そこまでして妻に迎えたいほど、艶が美しかったことが察せられます。
この時、虎繁は46歳(大永七1527年生まれ)の男ざかり、艶は推定40歳前後の女ざかり。