犬や馬をパートナーとする「動物性愛者」。その「禁忌」の先にあるものとは? (4/8ページ)

新刊JP

濱野:この言葉は日本語に置き換えることができなくて、いまだにこの本に書いた以上の解釈ができていません。

今のところの理解で定義すると、人間や動物のパーソナリティとは、人間と動物の間で相互に起きる、それぞれの存在の「状態」のこと。お互いが共有している豊かな時間の中で相互に応答し合い、そのレスポンスの中で見出されるものと考えています。もちろんそこには時間的な経過も含まれていて、相手の機嫌が良かったり、悪かったりすることも含めて常に揺らぎが生じています。お互いがお互いを見つめ続けていく、絶え間ない実践のなかで見いだされていくのがパーソナリティです。

――パーソナリティを見出して関係を構築する相手は、どんな犬でもよいというわけではなく、ミヒャエルならばキャシーのみですよね。その関係性は独特だと感じました。

濱野:そうですね。ミヒャエルがキャシーに見出しているパーソナリティを、私がひと言で言い表すことはできません。彼らは、相手がいて自分がいる、自分がいて相手がいる。その中で変わりゆくお互いを、日々、日常のなかで見出し続けていきます。

――ミヒャエルの次に本書に登場するザシャは、ネズミの群れと一緒に暮らす男性ですが、ネズミ一匹一匹に名前をつけて、個性や性格をちゃんと把握している。私はこの人がすごく好きなんです。よくネズミそれぞれの見分けがつくなと。

濱野:本当にそうですよね! 私もザシャのことは大好きです。おしゃべりが好きで話し始めたら全然止まらないんですよ。ネズミのことを話しているときは本当に生き生きとしています(笑)。でも今、彼はネズミの群れを失ってしまって。先日またドイツに行って会ってきたのですが、ネズミとの思い出を語っているときが一番元気でしたね。

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