どんな美女にもまさる姫君!「源氏物語」ヒロインで極度のコミュ障・末摘花の恋愛エピソード【完】 (4/7ページ)

Japaaan

ただ一つの、輝かしい思い出

……思えば、悲しいことばかりの人生だった。

顔が醜い。才知に乏しい。コミュ障だから人づきあいも苦手……父・常陸宮はそれでも愛してくれたけど、父の亡き後はみんな離れて行ってしまった。

懸命に努力したつもりではいるけれど、生まれ持った素質というものは如何ともしようがなく、ずっとずっと、諦めながら生きてきた。

そんな中でたった一度だけ、今を時めく貴公子・光源氏が自分に気をかけてくれた。嬉しいけれど恥ずかしいあまり、半年も手間取ってしまったけれど、それでも決して諦めず、我が背の君となってくれた。

……あれが「何かの間違い」だった事は、誰より自分がよく解っている。こんな醜くて頭が悪く、愛嬌すらない女に入れあげる物好きなど、天下広しと言えどいる筈がない。

それでもあの一夜の、ぎこちない交わりこそが、わたくしにとってはただ一つの輝かしい思い出。

後姿「は」とても美しいと評判の末摘花(イメージ)。

あの透き通った声が、まだ耳に残っている。あの光り輝く顔(かんばせ)が、まだ眼底に焼きついている。

「どんな美女にもまさる姫君!「源氏物語」ヒロインで極度のコミュ障・末摘花の恋愛エピソード【完】」のページです。デイリーニュースオンラインは、末摘花平安文学光源氏源氏物語平安貴族カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る