どんな美女にもまさる姫君!「源氏物語」ヒロインで極度のコミュ障・末摘花の恋愛エピソード【完】 (6/7ページ)
いざ姫君の待つ元へ……尾形月耕「源氏五十四帖 十五 蓬生」より。
尋ねても我こそとはめ道もなく深き蓬のもとの心を
【意訳】道なき道を訪ねて行こう。蓬(よもぎ)の生い茂る=荒れ果てた屋敷の中で、ずっと私を待ち続けてくれた彼女の心を
以前、光源氏が謀叛の疑いをかけられた時、彼と親しくしていた多くの貴族や女性たちが一斉に掌を返し、光源氏は村八分状態にされてしまいました。
そんな苦い経験があるからこそ、ずっと変わらなかった(であろう)末摘花の姫君を、ずっと気にかけていたのです。
「あなたはどんな美女にもまさる……」光源氏の告白「姫君……」
感激する光源氏を前に、末摘花の姫君は一人合点を続けます。
「もう、本当に夢みたい……こんな素晴らしいお姿を拝見できるなら、わたくし何度死んでもいいわ……でも」
そこまで言って、末摘花の姫君は少し顔を曇らせます。
「次に生まれて来る時は、もっと美しく、せめてもう少し賢く生まれたい……我が愛しい背の君に相応しく、恥をかかせないような女性に……」
目に涙を浮かべる末摘花の姫君を優しく、そして力強く抱き寄せた光源氏は、姫君に微笑みかけました。