戦場で生まれた絆!奥州征伐で抜け駆けした鎌倉武士の縁談エピソード【上】 (2/5ページ)

Japaaan

「おい次郎、これから敵陣へ乗っ込まだぁ(乗り込もうぜ)」

それを聞いた清近、

「……明日の先陣は畠山(次郎重忠)殿ぞ。抜け駆けは軍紀違反ゆえ、慎まれよ」

と建前は言いながら、実のところ殴り込みたくてしょうがない本心を、行光は知っています。

おまん、あにょうこーしゃっぺーこん(お前は、何を気取りすました事を言っているのだ)。戦の華は夜討ち朝駆け、今から行けば朝一番には敵陣までたどり着けよう。何も畠山殿ばかりに手柄を独り占めさせるこたぁないじゃんね」

畠山次郎重忠(はたけやまの じろうしげただ)と言えば東国じゅうにその名を知られ、先陣に相応しい大将と誰もが認めるところではありましたが、だからと言って大人しく下風に立つのは癪と言うもの。

「まぁ、気持ちは解らぬでもないが……」

そんな二人の会話を聞きつけて、彼らの上役であった三浦平六義村(みうらの へいろくよしむら)たちがやって来ました。

「その方ら、何を雑談(ぞうたん)しておるか!」

陣中での雑談は内容によって士気を削いだり、デマによる混乱を招いたりするため、基本的に禁止されていました。

「しかも抜け駆けと聞こえたが、まさかその方ら……」

「いや、これはあの……」

何とか言い訳を考える清近でしたが、義村は続けて言いました。

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