若者を餌食にする「キャンパスカルト」の正体(2) 偽装サークルで勧誘 (1/2ページ)
大学生を狙う「キャンパスカルト」は、A氏が受けた勧誘ほど簡単に宗教団体であることを明かさないことが多い。そのため広く知られているのは、宗教とは無関係を装ったサークルとして、学生を勧誘する手口だ。
例えば、「浄土真宗親鸞会」(以下、親鸞会)。一般的な浄土真宗各派とは無関係の新興宗教である。世間を揺るがす事件は起こしていないが、大学関係者の間では早くから偽装サークル勧誘をする団体として有名だった。「生きる意味を考える」とか「歎異抄を学ぶ」「古典を学ぶ」などの生真面目なサークル名で、かつては4月に新入生を堂々と勧誘。多くの大学で公認されたサークルだったのだ。すっかり信用してサークルに入った新入生は、長期連休となるGWあたりで合宿に誘われる。その合宿で宗教団体であることを初めて知ることになるが、すでに人間関係を築いてしまった新入生は入信してしまうというのが一般的だった。
だが、全国の大学が「キャンパスカルト」対策に乗り出すことになる。その契機となったのが、06年の「摂理」騒動。宗教団体である摂理の教祖、鄭明析氏が韓国で女性信者への強姦容疑で国際指名手配を受けたことを契機に、日本でも同様の事件があったことが報じられたのだ。摂理は偽装サークルを使い、日本の大学生に近づいた。その巧妙さを元信者のB氏が告白する。
「勧誘相手と親密になって正体を明かしても大丈夫と判断するまで、数カ月や長い時には1年近く、宗教団体であることを隠し続けます。私自身はサッカーサークルだと言われて勧誘されました。本当に早朝サッカーなどをやっていたので、疑いを持たなかった。サークルの拠点だというマンションの一室で食事会もやっていて、親密になってから『実は聖書の勉強もやっている』と明かされました。すでに親しくなっていたのでつい信用してしまい、サッカーをするつもりが気づいたら宗教をやっていた」
サッカーだけでなく演劇やボランティア、国際交流活動など、勧誘相手の関心分野に合わせてさまざまな「サークル」をでっち上げる。そして、信者だけのミーティングで勧誘相手の状況を報告し、正体を明かすタイミングを話し合うという。
こうした勧誘に大学側が行った対策は多岐にわたる。偽装サークルの公認取り消しはもちろん、学生にカルト勧誘への注意喚起を開始。