実は心眼の使い手だった!?新選組の独眼竜「平山五郎」の生涯【六】 (5/6ページ)
「あの野郎……ずっと同志だった俺を売りやがって……今まで誰がお前を守ってきたと思っているんだ……覚えておけ、芹沢……次はお前の番だ!」
新見の死によって、3人いた新選組の局長が水戸派/試衛館派の2人になり、副長が水戸派1名/試衛館派2名でバランスが悪くなったため、水戸派から五郎が副長助勤から副長に抜擢されました。
「しかし……俺なんかで務まるのかな……」
これまで勘定方も兼務するなど、多少は頭が回ったところで、所詮は腕っぷしだけの乱暴者。ブレーンを失った芹沢を支えていける自信はありませんでした。
芹沢鴨を守るため、死の宴席に立ち向かうそんな不安に沈んでいた文久三1863年9月16日。その日は、朝から雨が降っていました。
「あれ?平間さんに平山さん。どうしたんですか?そんな暗い顔をして……そうそう、平山さんの昇任祝いその他もろもろで、今夜、芹沢先生が近藤先生と共同で宴会を開くそうですよ」
不気味なくらい明るく、ニッコニコの表情でやって来たのは「鬼の副長」土方歳三。