家督が継げなきゃ自力で家を興す!関ヶ原で活躍した信長の甥・織田長孝の武勇伝【下】 (3/5ページ)
「ほぅ……これはなかなかの業物じゃ……」
薄く残った血糊に鈍る穂先の光にうっとりしてしまったのか、槍を捧げ持っていた近習が手を滑らせてしまいました。
「ァ痛っ!」
槍の刃が家康の指を傷つけ、僅かな血を吸って地面に転がると、家康は逆上して問い質します。
「この槍は尋常ならざるもの……さては村正(むらまさ)ではなかろうな!」
質された父は「は。いかにも村正にございますれば」と答えると、源二郎ともども退出を命じられました。
(いやはや、勘気を召されたか……しかし、当方に落ち度なき事なれば、致し方あるまい)
そんな二人の元へ、近習の一人がやって来て「徳川家に代々仇をなす妖刀村正の因縁」について説明されます。