源頼朝の遺志を受け継ぎ武士の世を実現「鎌倉殿の13人」北条義時の生涯を追う【三】 (4/6ページ)

Japaaan

「それがしも何か知らぬかと訊かれて、とりあえず上手くごまかしておいたが、バカなことはやめるよう、ご子息を通じて佐殿に伝えておくンだな

「はぁ。愚息どもが、ご心配をかけ申す」

すっかり恐縮した秀義を前に、景親はニヤリと笑って加えます。

「もっとも……どうしても『やる』と言うなら、当方としては願ったり叶ったりだ。先の以仁王殿下ご謀叛を鎮圧した精兵どもが、まだ暴れ足りぬようでな……」

むしろ謀叛を起こしてくれれば、堂々とぶっ潰す大義名分が立つ……景親の自信には、相応の実績と実力が裏付けられていました。

「……要件は以上だ。折角だから、家人に手土産など持たせよう……然らばこれにて」

「ははぁ」

佐殿の挙兵計画はとっくにバレていた……そのことを一刻も早く伝えるべく、帰宅した秀義は嫡男の佐々木太郎定綱(たろうさだつな)を頼朝の元へと走らせました。

ちょっと予定が押したけど…いよいよ挙兵!

定綱からの報せを受けて、頼朝は舅の北条時政(ときまさ)と北条宗時(むねとき)・義時兄弟を集めました。当然のごとく、頼朝の妻・北条政子(まさこ)も同席しています。

「……どうする?」

この場合、挙兵を取りやめることではなく、バレてしまった以上、日取りを早めるかどうかになってきます。

「ここは一刻も早く、山木判官を襲撃すべきではないか?」

「いや、今さら慌てたところで敵も待ち受けているだろう……万全の準備を整えた上で、予定通りに17日に決行した方がよかろう」

「佐々木殿、お父上は何と?」

決めかねた頼朝が定綱の発言を促すと「一度父の元へ戻り、武具や兵員を集めて来たい」とのことで、それなら日程に余裕をもって、予定通りの17日がよかろうと決しました。

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