「昨夜その角で見かけたよ」……今でも街に妖怪の存在が息づく『遠野物語』の舞台【その2】 (1/6ページ)
明治時代、官僚で民族学者でもあった柳田国男が編纂した「遠野物語」。
岩手県の遠野地方に伝わる、妖怪・神や人間の恐ろしい本性により引き起こされた怪異などの話が119話収められています。
遠野物語は全て実際にあった話。実際の人物や場所もあるものの正直には記せないために漠然とした書き方をしたとか。
明治時代、世の中が急速に近代化しなんでも科学的に割り切ってしまうようになった都会人に向け「山にはさまざまな伝承が残っているのだぞ」……という柳田国男の強い想いが感じられます。
現在でも、「昨日、そこの角で座敷童見かけたよ!」という話があるという遠野。旅行で訪れてもよし、秋の夜長に遠野物語をじっくり読んでもよし。
摩訶不思議な世の中に引き込まれてください。