冥途もお供いたします…政略結婚にも愛はあった。武田家滅亡に殉じた悲劇のヒロイン・北条夫人【下】 (7/8ページ)
「いえ……ひとたび寄り添うた夫婦(めおと)なれば、冥途までお供いたしとうございます」
かくして勝頼親子3人以下武田主従は自決(勝頼37歳、北条夫人19歳、信勝16歳)、ここに甲斐源氏の名門・武田家は滅亡したのでした。
迫りくる織田軍に対し、最期まで戦い抜いた北条夫人。「古今名夫録 武田勝頼の夫人」より。
終わりに【北条夫人 辞世の句】
黒髪の 乱れたる世ぞ 果てしなき 思いに消ゆる 露の玉の緒
【意訳】乱れ髪のような世の中に、色々思うことはあるけれど、すべて露のように儚く消えゆくばかりです。帰る雁 頼む疎隔(そかく)の 言の葉を 持ちて相模の 国府(こふ)に落とせよ
【意訳】飛んで行く雁よ、私の実家を通るなら「ごめんなさい」と伝えておくれ……私は、もう帰れないから。
落陽の武田家に嫁ぎ、その滅亡まで七年間、最期まで勝頼を支え続けた北条夫人。