ネアンデルタール人は人間の祖先と10万年間も戦争状態にあった(人類史) (3/4ページ)
また武器を使った争いも普通に起きていたらしいことも分かっている。棍棒は原始的であっても強力な兵器で、これを頭に振り下ろされれば人間などひとたまりもない。先史時代のホモ・サピエンスの頭蓋骨には、棍棒の一撃による外傷がよく見られるが、それはネアンデルタール人も同じだ。
身を交わしたことで前腕にできる骨折も戦闘の痕跡だ。ネアンデルタール人の骨からはこうした骨折がたくさん発見されている。また少なくともイラク、シャニダール洞窟で発掘されたネアンデルタール人は、胸に槍の刺し傷があった。
こうした外傷は、特にネアンデルタール人の若い男性に多く、彼らはそうした傷を負った状態で死亡している。
狩猟の最中に怪我をすることもあるだろうが、遺骨に残されている傷跡のパターンは、奇襲や待ち伏せなどが多用される部族間のゲリラ的小規模戦闘で負うと予測されるものと一致する。

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・ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの10万年にわたる戦争
ネアンデルタール人がただ戦っただけでなく、戦争が得意だったという証拠はその縄張りからもうかがい知ることができる。
何しろ我々の祖先はネアンデルタール人と出会ってから、すぐに相手を蹴散らすようなことはできなかったのだ。それどころか両者は10万年にわたり争い続け、その間、現生人類の世界進出は阻まれてきた。
なぜ我々の祖先はなかなかアフリカから旅立とうとしなかったのだろうか? それは外の環境が厳しかったからではなく、アジアとヨーロッパにすでにネアンデルタール人が進出していたからだ。
人口が増加すれば、否が応でも食料を手に入れるための土地が必要になる。だが、我々の祖先は何千年もネアンデルタール人に挑み、負け続けてきた。武器・戦術・戦略の点においては、ほぼ互角だったにもかかわらずだ。