三浦春馬 主演!映画『天外者(てんがらもん)』の主人公・五代友厚は渋沢栄一と並ぶ日本実業界の双璧だった (3/5ページ)
これまでになかった緊急事態に天下は騒然、大混乱に陥る中にもかかわらず
「男として、一生の志を立てるチャンスが来たぜ!(男児志を立てるは、まさにこのときにあり)」
と奮い立ったそうですから、よほどの豪胆と、世界へ開かれていた意識の高さがうかがわれます。これが才助の「志士」となった瞬間でした。
さて、才助は20歳となった安政2年(1855年)に薩摩藩へ出仕して以来、長崎海軍伝習所でオランダ士官から航海術を学んだり、幕府の艦船・千歳丸に水夫として乗り組んで上海に渡ったりなど、精力的に活動します。
そんな情熱が惹かれ合うのか、勝海舟(かつ かいしゅう)や坂本龍馬(さかもと りょうま)、高杉晋作(たかすぎ しんさく)と言った志士たちと交流。
日本を、世界に並ぶ近代国家に生まれ変わらせる……そんな志で通じ合った彼らは、たとえ遠く離れていても、それぞれの使命を忘れることなく困難を乗り越えていったのでした。