戦国時代のスナイパー!火縄銃の腕前で武士の身分にまで出世した悪小次郎の武勇伝 (1/7ページ)
戦国時代、世の乱れから既存の身分制度が揺らぎ、実力次第で出世は元より、主君を押しのけて自分がとって代わる下剋上(げこくじょう)さえ夢ではありませんでした。
もちろんリターンに比例して(あるいはそれ以上に)リスクが高まり、元の身分が低ければ成功への道のりは遠く厳しいものとなりますが、それでも命を賭けるだけの価値はある、と多くの者たちがチャンスに挑んだことは、広く知られる通りです。
今回はそんな中、中国地方の覇者・毛利(もうり)氏に仕え、戦功によって武士の身分にまで出世した悪小次郎(わる こじろう)のエピソードを紹介したいと思います。
悪(ワル)の小次郎、毛利元就に奉公する悪(わる)氏のルーツについては詳細な記録がなく、小次郎も中間(ちゅうげん。非武士の奉公人)という低い身分であったことから、恐らく代々の名字ではなく、小次郎の二つ名がそのまま定着?したものと考えられます。
「やぃやぃ、我こそは『ワルの小次郎』……命の要らねぇヤツぁかかって来やがれ!」
みたいな感じでしょうか。周囲から認められるほどの不良だとしたら、恐らく生家で持て余されて、口減らしに武家へ奉公してみた……というのが、小次郎の出発点だったのかも知れません。
そんな小次郎は安芸国(現:広島県西部)一帯を治める戦国大名・毛利元就(もうり もとなり。