続・コロナ医療「ナース残酷物語」、最低水準の日当と専門病床数のデタラメ (3/3ページ)
コロナ患者は受け入れたいが、赤字にならず地域住民と職員が納得できるインセンティブがないと。それを考えるのが政治でしょう」(西日本の病院長)
政府はなぜ、看護師らコロナ医療従事者をないがしろにし続けるのか。
時短営業の飲食店には1日6万円の協力金が支給されるが、コロナ患者の治療にあたる派遣看護師の日当は2万円。そしてPCR検査で陽性患者の飛沫を浴びる危険な作業を伴う保健所臨時職員の時給は2000円と、先進国で最低水準だ。
ちなみに世界で最もコロナ禍が深刻なアメリカは、患者数も医療従事者の待遇も桁違いだと、アメリカ在住の看護師は話す。
「最も給料相場の高いニューヨークでは、コロナ治療にあたる看護師の時給が100ドル(約1万円)という破格の求人募集がありました。勤務時間は長く10時間なのですが、日当は10万円になります。それだけハードな仕事で長続きはしないとも言えますが」
中国でもコロナ治療にあたる看護師の年俸は、国民平均年収の3倍を保証し、さらに名誉市民としてさまざまな優遇措置を付与されるという。
「救急車に乗っても受け入れ先がないという医療崩壊はすでに始まっていますが、ガン治療も受けられない、自分の街から病院が消えた‥‥という決定的な医療崩壊が始まるのはこれからです。あの時あの国会で審議したGoToトラベルの追加分1兆円をワクチンとコロナ病床拡充に充てておけばよかったと悔やんでも、その頃には日本の医療制度は崩壊しているでしょう」(西日本の病院長)
そんなXデーが訪れても国会議員は会食をやめず、菅総理は用意された原稿を淡々と読むだけだろう。
(看護師/医療ジャーナリスト・那須優子)
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